こころと体に不調が現れた時、
その原因を自覚できる場合と、
わからない場合があります。
不調はどこからか降ってわいてくるものではありません。
普段のこころと体の使い方が
そのまま現れるだけです
(先天的なものは除く)。
ですから、「痛みをとる」など
対症療法的なアプローチも
もちろん大切ですが、
不調を繰り返したり、
悪化させたりしないためには
根本原因から
アプローチしていくことが
必要になります。
本来、私たちのこころと体は
「命を守る」ために
いつも「元気でいよう」と
一生懸命働いています。
しかし、限界を超えてしまうと
『これ以上守れない!使い方を変えて!早く気づいて!』
というサインをさまざまな
不調という形で出し、
私たちに気づかせてくれるのです。
さまざまな不調は
決してマイナスなことばかりではなく、
これからも命を守っていけるように
私たちを促してくれているのです。
では、こころと体を
できるかぎりスピーディに
改善していく時には
何が必要なのでしょうか?
いくつかの項目に分け
簡単にまとめてみました。
− 原因から調整すること −
体調が良くない場合、
必ず何かしらの原因があります。
原因が何もないのに
不調だけが起こることはありません。
「原因がはっきりしない=原因がない」
わけではないのです。
例えば、なかなか取れない頭痛が
足首のズレから始まって首のズレ、
頭蓋骨の歪みから
きている場合があります。
その場合は頭痛だけでなく、
足首のずれから調整します。
吐き気が胃からではなく、
肝臓の「質のよくない気」が
胃に流れ込んで起きる場合もあります。
その場合は胃だけではなく
肝臓から調整します。
激しい喘息の症状が
不安や気負いすぎから
起こっているときは
メンタルレベルで調整をしたり、
話をしたりします。
辛い部分を調整することは大切ですが、
それだけでは対症療法になってしまい
一時的な効果しかありません。
効果自体があまりない場合もあります。
自覚症状として現れているものだけでなく、
その原因となった箇所まで
目を向けて調整していくこと。
これが不調の改善と再発を防ぐという
意味でとても大切なのです。
− 改善目標を明確にすること −
体調を崩していると、
『治らないんじゃないか』、
『もううんざりだ』とつい弱気に
なってしまうことがあります。
それが長期間になればなおさらです。
体から、こころを病んでしまうのです。
前述のように私たちのこころと体は
互いに影響を与え合っています。
ですから、体の不調があっても
こころの力を使って現状を
大きく変えていくことは可能です。
具体的には自分が痛みや不調から
解放されて、楽しく快適に
日々を過ごしている様子を
明確にイメージすることです。
すると神経レベルで体に送られている
命令が変化し、筋肉の緊張や
からだの使い方が変化し始めます。
『今までの無理な使い方を見直すきっかけにしよう!』
という気持ちで現状に取り組むことが、
改善への近道です。
− 素直な気持ちで取り組むこと −
体は休息している時に
治す力が最も強くなります。
これは決して睡眠時のことだけを
さすのではありません。
例えば刃物か何かで手を切った時、
多少消毒してあとは放っておくと
勝手に治りますよね?
それに対して同じように手を切っても
そのことを心配してばかりいるとなかなか治らない。
これは心配することで体の治す力が
発揮されづらくなってしまうからです。
休息とは体だけでなく
こころも安静(心配していない)な状態
ということです。
不調に捉われないこと。
素直な気持ちで体の力を信頼し、
身をゆだねることで
治す力はより活発に働きます。