ストレスが脳に与える影響

ストレスを溜め込むことは体に悪い、ということを多くの方がご存知かと思います。病は気から、という言葉もあり、こころ(気)の変化は、体全体に悪影響を及ぼすことがあります。ストレスは、脳や体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

ストレスと脳

体の不調や仕事、人間関係、環境など個人差はあるもののストレスの要因となるものは身の周りに溢れています。ストレスとは体が緊張している状態。緊張状態は危機的状況を乗り切るために備えられた本能です。
脳が筋肉に「逃げるか戦うか」の選択を迫っている状態になります。
この緊張状態を起こしているのは脳です。
強いストレスを受けると、ストレスホルモンである「コルチゾール」「アドレナリン」「ノルエピネフリン」などが放出されます。
これらのホルモンは体に指令を送る扁桃体を刺激し、体を緊張状態にする信号を筋肉に送ります。
また前頭葉にも影響を及ぼし、神経細胞の活動を弱め、さらには停止させてしまいます。
この緊張状態は一時的なもので、ストレスが無くなると自然と通常の状態に戻るのですが、現代人は慢性的なストレスに晒されていることも珍しくありません。
また、影響を及ぼすストレスは現行で起こっているものだけではありません。
過去に受けたストレスであるトラウマにも反応します。
この状況が心的外傷後ストレス障害(PTSD)という病気に繋がります。

脳を萎縮させる

ストレスは脳機能を衰えさせるだけではなく、脳そのものも萎縮させると言われています。
脳細胞が破壊され、記憶力にも大きな影響を与えます。
また、灰白質という脳の領域の萎縮にも繋がります。
灰白質という領域は感情に結びついているものであり、萎縮すると精神疾患を患うリスクも高まります。
その他にも、子供の頃に強いストレスを受けると脳の成長にも悪い影響を与えます。
ストレスによって病気が引き起こされるというのは事実です。
健康的な生活を送るためにもきちんとストレスコントロールをする必要があります。